癌、認知症…なりたくはない病気

健康な細胞に害をなす活性酸素は、さまざまな病気の原因のひとつだと言われています。
とくに、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病や糖尿病、癌といった現代病には活性酸素の増加が大きく影響していると考えられています。

人間の生命活動において活性酸素は必ずできるものであり、外からのウイルスや細菌をやっつけるためには必要なものでもあります。
ですが、健康な細胞まで傷つけてしまう悪玉活性酸素は、病気の抑制に必要な細胞や遺伝子まで攻撃=酸化してしまうのです。

日本人の死亡率No.1・癌

癌について考えてみよう

人間の身体にもともと存在している癌細胞。
それでも癌を発症しないのは、癌の抑制遺伝子が正常に働いているからです。しかし、悪玉活性酸素によってこの抑制遺伝子が傷つけられると、抑えられていた癌細胞が活発になり増殖が進みます。
傷つけられた抑制遺伝子を助けるためのDNA修復遺伝子までダメージを受けると、癌細胞がどんどん増えて病状が悪化します。

体内に発生した活性酸素を分解するSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)という酵素がありますが、活性酸素が増え過ぎるとSODが不足してしまいます。

活性酸素が増加→身体が持っている抗酸化力の低下→活性酸素がさらに増加→癌細胞の活発化

となります。

とはいえ、すでに癌細胞が元気になってしまった身体に抗酸化作用のある物質を取り込むと、さらに癌細胞が活性化されてしまい転移や腫瘍の成長につながってしまうという研究結果もあります。

認知症

認知症は脳細胞が衰えたり死んでしまったりするために障害が起こり、生活に支障が出ている状態です。
人間の活動をコントロールしている脳が正常に働かなければ、肉体面だけでなく精神面もスムーズに機能しなくなってしまいます。
認知症はいくつか種類があり、脳内に現れる変化や変化が起きる場所によって区別されています。

・アルツハイマー型認知症
脳の海馬を中心に委縮が進んで脳の用量が減少し、神経細胞が死滅していきます。
認知機能障害(もの忘れ)が特徴的な症状ですが、理解・判断力の低下、うつ状態や妄想といった精神的症状、進行すると身体機能にも障害が現れて歩行困難や寝たきりになってしまうこともあります。

物忘れがはじまる・脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血によって脳の血液循環が悪くなり、脳の一部分が壊死してしまいます。
認知機能障害や手足のしびれ、まひなどの症状が現れます。急に発症し、段階的に進行していくことが多くみられます。

・レビー小体型
レビー小体という物質が大脳皮質に現れます。脳の委縮がはっきりと見られることはあまりありませんが、認知機能障害や自律神経機能の低下、幻視や妄想、うつ状態などの精神的症状が現れます。

これらのなかで、脳血管性認知症は脳梗塞が原因であることから、活性酸素の影響が懸念されます。
また、アルツハイマー型認知症の原因は明確にされてはいませんが、脳の神経細胞周辺に特殊なたんぱく質が発生したり、神経原線維変化が起こることによって脳神経に悪影響が出るためと考えられています。
この原因として、悪玉活性酸素の脳への影響が挙げられます。特殊なたんぱく質によって活性酸素が発生し、過剰生産された悪玉活性酸素が脳の神経細胞を傷付けているのです。

白内障

白内障は、眼の中でレンズの役割をしている水晶体が濁って見えにくくなってしまう病気です。肌が老化してシミやシワができるように、眼も老化すると濁ってしまいます。
加齢に伴って発症率が上がり、早い人で40歳前後、80歳を超えるとほとんどの人が白内障の症状が現れると言われています。

めがねをかけた女性

眼は常に働いているので、常に光にさらされています。そして屋外に出ているときは常に紫外線にさらされているということになります。

紫外線は水分と反応すると活性酸素が発生します。つまり、眼はいつでも悪玉活性酸素からの攻撃を受けている状態なのです。
もともと、水晶体はビタミンCを多く持っているので、活性酸素に抵抗する抗酸化作用が備わっています。
しかし年齢を重ねるごとにビタミンCが減少していくのに従って、抗酸化力も低下してしまいます。そうすると、悪玉活性酸素の増加を防ぎきれず水晶体の細胞が傷つけられて、白内障を引き起こしてしまうのです。

アトピー性皮膚炎

肌がかゆくて辛いアトピー性皮膚炎はバリア機能が低下した皮膚の炎症で、かゆみや痛みを伴う症状です。アレルギー体質の人に多くみられますが、悪玉活性酸素によって症状が悪化することが分かっています。
アトピー性皮膚炎と活性酸素はいたちごっこで、悪玉活性酸素によって皮膚炎は悪化しますが、皮膚の炎症に反応してさらに活性酸素が増えてしまいます。

まとめ

人間を悩ませる病気の多くに悪玉活性酸素が影響していることが分かります。
ウイルスや細菌などの外的を排除する働きのある活性酸素もあれば、体内の正常な細胞にダメージを与えてしまう悪玉活性酸素もあります。
身体の抗酸化力を高めて悪玉活性酸素をなるべく減らしていくこと、発生させないことが、病気の発症や進行を抑えることになるのです。